研究概要 |
前年度,つぎに列挙する3つのシステム同定法について検討した。 1.センサの静的な非線形性を制約条件として,非線形システム同定問題を「制約つき最適化問題」に帰着させる方法 2.センサ特性と対象システム全体を「区分的線形システム」というハイブリッドシステムとみなして,ハイブリッドモデリング法を適用する方法 3.非線形システムの状態推定法として提案された「無香料カルマンフィルタ」を非線形システム同定問題に適用できるように修正する方法 本年度は,これらの不確かな入出力データに基づくシステム同定法の性能を調べ,また新たな改善点を探った。 1.のアプローチでは,提案した非線形システムの同定法を,自動車のエンジンの触媒システムの同定問題に適用し,ダイハツ工業から提供していただいた実験データを用いて,その有効性を明らかにした。 2.のハイブリッド同定法を自動車のドライバモデルの構築問題に適用し,その有効性を自動車のシミュレータを用いて検証した。また,ハードディスクのモデリング問題へもハイブリッド同定法を適用し,その性能評価を行った。 3.の無香料カルマンフィルタについては,数値実験を通して,設定パラメータの選定法などについて検討した。
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