研究課題
基盤研究(C)
クーロン摩擦を有すると考えられる機械システムをステップ状の参照入力で駆動するときに、平衡点からの偏差を小さくするようにゲインを切り替えるスイッチング制御を行う方法について考察した。スイッチング制御を行う目的は、摩擦力に打ち勝って平衡点に近い位置まで解の停止現象を起こさない入力を加えるが、平衡点から遠い場合には、制御入力を過度に大きくしないことにある。スイッチング則は、最大出力許容集合と呼ばれる不変集合を利用する。具体的な研究実績は以下のとおりである。制御システムの不変集合について、特に最大出力不変集合と可到達集合に関する考察を行った。線形システムの最大出力不変集合と可到達集合に関して近似的にそれらを求める方法、不確かさをもつシステムの最大出力許容集合を求める方法、ならびにあるクラスの非線形システムについて、最大出力不変集合をアルゴリズムとして構成する手順を明らかにした。また最大出力不変集合と可到達集合の間に成立する双対性をさまざまな観点から明らかにした。スイッチング制御則は、摩擦力を線形システムに対する有界外乱とみなすことにより、有界外乱が存在するときの最大出力許容集合を用いて定義した。制御ゲインとして、数種類のゲインを用意し、低いゲインに対する最大出力許容集合が高いゲインに対する最大出力許容集合を含むようにする。そのとき解軌道が不変集合から外に出ないことを利用して、ゲインを次第に大きくするスイッチング制御を提案した。提案法により、制御入力が過度に大きくなることを抑制すると同時に、解の停止する位置をスイッチングしない場合と比較して平衡点に近づけることができた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (8件)
計測自動制御学会論文集 41・6
ページ: 544-546
計測自動制御学会論文集 41・8
ページ: 660-667
ページ: 668-675
The transactions of SICE vol.40, no.6
The transactions of SICE vol.40, no.8
計測自動制御学会論文集 40・8
ページ: 842-848