研究課題
適応観測器を用いた連続時間モデル同定手法の基本的な構成を提案した。有限長のサンプル値データから、連続時間伝達関数モデルの係数を推定する問題として定式化した。通常の離散時間モデル同定との相違点として、サンプル点間応答に関する情報が欠落し、エイリアジングの問題が発生する点と、連続時間系では有限整定観測器の構成が複雑となることから、伝達関数の係数だけでなく、サンプル点間応答と初期状態も同時に推定する手法を提案した。サンプル点間応答の推定のために、適応観測器を用いて推定された出力を利用する、繰り返し形のアルゴリズムとなっている。また、対象の初期状態を推定するために、バックワードシステムを導入して、フォワードシステム・バックワードシステムの適応同定を交互に繰り返すアルゴリズムとなっている。計測自動制御学会論文集に発表した論文では、最急降下法を用いた場合の安定性解析を行った。次に、国際会議MTNSでは、逐次最小二乗法を用いた場合の安定性解析を行い、収束の速いアルゴリズムを提案した。安定性の解析では、サンプル点間応答を推定することによる誤差の見積もりや、フォワード・バックワードシステムの切り替え時におけるある行列の可逆性に関する考察などを国際会議ALCOSPにて発表した。最後に、同定精度を左右する設計パラメータとして、状態変数フィルタの設計パラメータを取り上げ、フィルタの時定数を同定対象のそれとほぼ等しく取ることによって、同定精度を高めることができることを数値例を用いて示した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Proceedings of the 24th IASTED International Conference Modelling, Identification, and Control
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計測自動制御学会論文集 40・4
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Proceedings Sixteenth International Symposium on Mathematical Theory of Networks and Systems
Proceedings of IFAC Workshop on Adaptive and Learning in Control and Signal Processing
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