研究概要 |
本研究の主要テーマは,max-plus代数に基づくシステム制御手法に対するロバスト制御理論を新しく構築するとともに,新しく開発するシステム制御手法を在庫管理問題や設備管理問題などの経営工学上の問題に応用することを試み,システム制御手法の適用範囲を拡大することを行なうことである. 平成18年度では,max-plus代数に基づく制御手法として代表的なモデル予測制御手法において,状態フィードバック制御によるロバスト特性の解析を容易にするために,時間駆動で記述される等価な制御則の導出を行った.従来の制御則は事象駆動の制御則となっていたため,現時刻に得られる情報が不明確であり,フィードバック特性の解析が困難であった.本研究により,max-plus代数に基づくモデル予測制御手法において,フィードバック制御によるロバスト性解析を進める基礎が確立できたといえる. さらに,経営工学問題への応用として,後続ジョブとの資源非競合性を考慮したオンラインスケジューリング方法を与えた.従来のスケジューリングに関する手法としては,PERTがよく知られているが,本研究の手法では,多入力多出力系の検討が行える点,資源競合性を考慮した同ージョブの繰り返しなどを考慮できる点でPERTにはない特微を持っている.
|