最初に、ネットワークによる遠隔制御問題やネットワークによる情報の欠損やネットワークにおける情報遅れの実際の問題や関連研究を調査、およびジャストインタイムモデリングなど局所モデリングの適用実例や関連研究の調査を行い、研究の枠組みを決定した。次に、モデルの時間局所性に対しては有限時間区間最適制御問題の定式化を検討し、サブモデルの空間局所性およびネットワークの情報遅れに対してはLPVシステムの考え方を拡張したモデリングを検討した。最適基準の形態の選定、パラメータの導入法などについて、具体例を用いて解析的に、また具体例の計算機シミュレーションによる検討を行った。 その結果を受けて、最適制御問題にオンラインモデリングを組み込んだ制御問題、そしてモデルの更新においてはネットワークの情報遅れの予測も同時に行う制御問題を定式化し、LPVシステムにおけるスケジューリングパラメータの役割を発展させたモデル更新・情報遅れ予測制御方式を提案した。理論的な検討およびシミュレーションによる確認と平行して行い、性能評価を行った。
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