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2005 年度 実績報告書

寒冷海域にあるコンクリートのスケーリング発生に及ぼす水分の挙動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16560396
研究機関北見工業大学

研究代表者

鮎田 耕一  北見工業大学, 工学部, 教授 (90003186)

キーワード海水 / 凍結融解 / スケーリング / 凍害発生機構 / 冷却速度 / コンクリート / 水分 / 微細構造
研究概要

寒冷海域にあるコンクリートの凍害機構を解明するために、海水と淡水中で冷却速度が異なる凍結融解試験を行いセメントペースト中の水分の挙動がスケーリングに及ぼす影響について検討した。この結果から得た知見を以下に示す。
水セメント比が50%の海水あるいは淡水に28日間浸したモルタル供試体(φ1×2cm)を用いて最低温度を-30℃、冷却速度を0.25℃/min、0.5℃/min、0.75℃/minの3種類とした凍結融解試験を海水あるいは淡水中で12サイクルまで行った。
海水浸漬供試体では凍結融解サイクルに伴いスケーリングが発生した。特にその傾向は凍結融解試験の冷却速度が遅くなるほど顕著となった。淡水浸漬供試体では凍結融解サイクルや冷却速度に関わらずスケーリングはほとんど発生しなかった。さらに、海水中で冷却速度が遅い凍結融解試験を受けた場合では凍結融解サイクルに伴い細孔水率や凍結水率が増加した。このことから、冷却速度が遅い凍結融解作用を受けるとセメントペースト中の水分が増加し、凍結する割合も高くなることで凍結する際に発する圧力の影響をより多く受けると考えられる。さらに、海水あるいは淡水中で冷却速度が0.25℃/minの凍結融解試験を行った後のセメントペーストの微細構造を観察したところ、凍結融解サイクルが増加するに伴い微細ひび割れが多く発生した。また、細孔水率や凍結水率の増加と微細ひび割れの発生には相関関係があることからセメントペースト中の水分が凍結すると、凍結する際に発する圧力によってセメントペーストに微細ひび割れが発生しやすくなり、この微細ひび割れの発生が海水と凍結融解の複合作用を受けるコンクリートのスケーリング発生を左右する重要な要因であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 海水による凍結融解作用を受けたモルタルのスケーリング発生要因に関する熱分析に基づく検討2006

    • 著者名/発表者名
      加藤利菜, 鮎田耕一, 猪狩平三郎
    • 雑誌名

      セメント・コンクリート論文集 59

      ページ: 291-296

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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