研究概要 |
除塩を行わない海砂を用いたコンクリートおよびアルカリ骨材反応を生じる骨材を用いたコンクリートをそれぞれ製造し,硬化後,これらを破砕し再生骨材を作成した。除塩を行わない海砂を用いたコンクリートより作成された再生骨材を用いたコンクリートは,耐凍結融解抵抗性,塩分の拡散係数,中性化,収縮およびコンクリート中の鉄筋の発錆を調べ,再生骨材に含まれる可溶性分量および全塩分量,または再生骨材の吸水率等との関係を明らかにするために用いた。アルカリ骨材反応を生じる骨材を用いたコンクリートより製造された再生骨材を用いたコンクリートは,無害な再生骨材または無害なバージン骨材と混合して使用された場合の膨張特性を実験的に明らかとするために用いた。 市販されている再生骨材を用いて,再生コンクリートのスランプ,空気量および強度のばらつきを調べた。コンクリートの配合は,空気量4.5%,スランプ12cm,設計基準強度が20N/mm^2となる配合1種類を用いた。コンクリートは200リットル強制二軸練りミキサによって練混ぜ,1日6バッチを,10日間連続して打設するシリーズを1シリーズとし,夏,秋および冬の季節毎に1シリーズづつ実験を実施した。 さらに,岡山地方におけるコンクリートがらの発生状況の概要を,管理者および発生量を項目として調査を開始した。今後,主要な構造物の建設年代と健全度(または劣化度)を調査し,建設された年代毎にその特徴と問題を整理し,コンクリートがらの発生量と発生源を予測する予定である。
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