研究概要 |
アルカリ骨材反応を生じる骨材を用いたコンクリートより製造された再生骨材を用いたコンクリートの膨張量をモルタルバー法(JIS A 1146),迅速法(JIS A 1804),コンクリートバー法(JASS5N T-603)を用いて測定した。化学法(JIS A 1145)において,原骨材が無害でないと判定されるものであっても,再生骨材の場合は,ペーストの付着量によっては無害と判定される場合があることが分かった。また,そのような骨材を用いて再生コンクリートを作成した場合,モルタルバー法によっても,コンクリートバー法によっても,有害な膨張が生じることを実験により確認した。従来のアルカリ骨材反応抑制材料であるフライアッシュや高炉スラグ微粉末以外にも,アルミニウム系の材料を用いることで,膨張が押さえられることを確認した。この種の材料は,再生骨材のアルカリ骨材反応に対する抑制効果のみならず,一般的なコンクリートにも適用可能なものと期待される。 1日6バッチ,10日間連続して打設を1シリーズとし,夏,秋および冬の3の季節で行った。全バッチ毎に,空気量,容積,スランプ,塩化物量および圧縮強度を調べ,毎日打設前に,細骨材お粗骨材の粗粒率,表面水率,吸水率,密度の試験をそれぞれ実施した。再生コンクリートの品質のばらつきは,一般のコンクリートに比較すれば高くなるが,一般コンクリートと同様の品質管理手法によって,そのばらつきを考慮した要求性能を満たすコンクリートを製造することが可能であることを確かめた。
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