研究概要 |
再生骨材のコンクリート用骨材としての利用が促進されない一つの原因として,再生骨材を用いたコンクリートの性能が,普通骨材を用いたものに比べて劣ることが挙げられる。再生骨材に含まれる吸水量に着目し,再生骨材に含まれる吸水量が再生コンクリートの性能に及ぼす影響を調べた。再生細骨材を用いる場合,その吸水率試験が正確に行われ,コンクリート打設時に表乾状態であれば,再生細骨材の普通細骨材との置換率および再生細骨材の強度によらず,スランプが低下することはないということが分かった。また,再生骨材を用いることによって起こるコンクリートのスランプの低下は,再生骨材を水洗いして用いることにより,改善することが可能であることが分かった。また,再生骨材を用いることによって起こるコンクリートの空気量の増加は,再生骨材を水洗いして用いることにより,普通骨材を用いたものと同程度まで低減することが可能であることが分かった。再生骨材を用いたコンクリートの強度および静弾性係数の低下は,再生骨材に含まれる吸水量Δωによって表すことが可能であることが分かった。再生骨材を用いることによって起こるコンクリートの乾燥収縮ひずみの増加は,再生骨材に含まれる吸水量によって表すことが可能であることが分かった。また,吸水量の大きい骨材を用いたコンクリートほど蒸発可能水分量が大きく,乾燥収縮が長期にわたり,乾燥収縮ひずみ量も大きくなるということが分かった。また,コンクリートの乾燥収縮ひずみは,再生骨材を用いた場合でも骨材中に含まれる吸水量を考慮することによって,土木学会予測式による予測が可能であるということが分かった。再生コンクリートの耐硫酸塩性は,コンクリートの配合における単位水量に大きく影響を受け,再生骨材中に含まれる吸水量の影響は小さいことが分かった。
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