研究概要 |
環境の保全,資源の有効利用などはあらゆる分野で今日的で重要なテーマであり,インベントリー,インパクト分析などで多くの議論があるが,本年(2005)2月には京都議定書も発効し当面は地球温暖化防止は緊急の課題となっている.建設分野でも建設,管理運営,撤去などの段階で多大な温暖化に影響する行動を伴っている. 温暖化の観点で現在最も数値予測の可能なものはインベントリーとしてのCO2とその発生量であり,今回のテーマでは構造物の建設から廃棄にいたるライフサイクルでのLCCO2を算定することとした.研究項目は2点あり, (1)構造物の各段階におけるCO2排出量の算定 (2)CO2コストの建設における位置づけ (1)は,既存の原単位を応用してPC桟橋を対象としてLCCO2を算定した.この結果,建設時の使用材料がLCCO2に大きな割合を占めることを示し,LCCO2の観点からは耐久性に優れた高品質構造体を造ることが得策であることを明らかにしている. (2)では,CO2の発生量を建設コストに取り込むときの影響を検討したものである.環境税の議論がおおくなされているが,構造物整備のプロセスで発生するCO2をコスト負担するとその割合が構造物のライフサイクルコストの数%となることを示し,その割合を低減するための産業副産物の活用の必要性などを明らかにしている.
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