研究概要 |
本研究の初年度である平成16年度は,舗装材料の力学特性の解明に重点を置いて研究を進めた.同時に,非破壊舗装構造評価法の調査に着手した.得られた成果の概要は以下のようなものである. 空港舗装材料として使用されつつある,再生アスファルトコンクリートの力学特性について検討した.まず,アスファルトコンクリートの再生時に重要となる再生用添加剤が異なる場合の力学特性について,成分が大きく異なる3種類の再生用添加剤による再生アスファルトならびに再生アスファルトコンクリートを用いて検討した.その結果,供用後には新規と再生材料の差は明確ではなくなること,再生用添加剤による特性の違いも供用して長期間経過すると明確ではなくなることが認められた.次に,再生アスファルトコンクリート中に占める旧アスファルトの割合(再生率)を高くした場合の力学特性について検討した.その結果,再生率を70%まで高めた場合,さらには100%とした場合でも新規材料とその特性は大きく異なるようなことはなく,これは供用後においても同様であることが認められた. 空港舗装の内部欠陥の発生機構と推定方法について基礎的な検討を実施した.前者については,補修を受けた舗装の表層・基層部分に欠陥が見られることが多く,舗装内部に残留した水分が夏季高温下に晒されることによって水蒸気化して膨張し,表層と基層,基層と基層間が剥離するという機構であることが考えられた.後者については,欠陥の有無によって,舗装表面温度や舗装面にハンマー等により打撃を加えた場合の反響音が異なることが明らかになったので,その原位置測定法である赤外線による表面温度の画像表示方法,打撃音音響解析方法について検討を行うとともに,実験計画を立案した.
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