研究概要 |
本研究の2年目に当たる平成17年度は,舗装材料の疲労ならびに破壊力学特性,舗装の内部欠陥の高速推定法方法,欠陥の進行状況の定量化に関して研究を進めた.得られた成果の概要は以下のようなものである. 舗装材料の疲労ならびに破壊力学特性として,まず,再生アスファルトコンクリートの疲労特性については,老化によりひずみ振幅の変化に対する破壊回数の変化度合いが小さくなること,再生用添加剤の成分の影響は明確ではないことがわかった.次に,コンクリートの曲げ疲労特性に関しては,上限応力が80%もしくはそれ以上では下限応力による影響は明らかではないが,上限応力が70%の場合にはその影響は無視できないことがわかった. 舗装の内部欠陥の高速推定方法として,熱赤外線画像を用いる方法を供用中の空港のアスファルト舗装の層間剥離の検出に適用した.具体的には,まず打音調査により異音部を検出し,次に舗装表面の熱赤外線画像を撮影し,その後コアボーリングにより層間剥離の有無を確認した.その結果,異音部分では舗装表面の温度が若干低くなり,しかもコアボーリングにより剥離が確認されたことから,この手法の有効性が認められた,このほか,舗装構造の健全度判定法としてFWD(Falling Weight Deflectometer)の妥当性を確認し,システムとして整備を図った. 舗装の欠陥の進行状況に関しては,舗装表面に現れてくる,ひび割れ,わだち掘れ,平坦性から計算するPRI(Pavement Rehabilitation Index)を用いて,PRIの経年変化として定量化を図った.このPRIに影響を及ぼす要因として,年平均気温,離着陸回数,設計CBR,設計荷重,設計反復作用回数に着目して解析を進めた結果,滑走路舗装の劣化の進行状況は航空機荷重の影響をあまり受けないことがわかった.
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