研究概要 |
本研究では,従来ほとんど注目されていなかったかわらの飛散の前兆現象である動揺(がたつき,ずれ)に着目し,風洞実験によりそれらのメカニズムを解析した.この結果,以下のことがわかった. (1)飛散直前のかわらの振動周波数は,ハンマリング試験で得られた固有振動数とほぼ一致した. (2)風向角の影響については,風向角が増すにつれ,振動や飛散を引き起こし易くなり,飛散に至る風速も低下する傾向が見られた.また,振動や飛散を引き起こし易いかわらは局所的に限定され,屋根下流の右端に集中していることがわかった. (3)屋根の傾斜を変化させた場合,緩やかな勾配では振動や飛散に強く,勾配が急になるにつれて,振動の発生が早まり,その結果,飛散し易いことがわかった.
|