研究概要 |
本研究の目的は,模型実験の結果を実物の挙動予測と結びつけるために,フーチングからの主鉄筋の伸び出し量を算定する式を構築することである。すなわち,フーチングに定着された鉄筋について,繰返し荷重下における引抜き・押込み力と伸び出し量との関係を定式化する。 コンクリートの鉄筋に対する付着メカニズムは,鉄筋のふし前面のコンクリートがふしに対して抵抗するものであるが,このときのふし前面のコンクリートは極めて大きな支圧応力を受ける状態となる。また,応力状態としては3軸状態を考慮しなければならない。したがって,精度の良い付着モデルを定式化するためには,3軸応力状態の高応力繰返し荷重下におけるコンクリートの変形特性を知ることが必要となる。そこで,万能試験機を用いて高応力下におけるコンクリートの繰返し荷重試験を行った。3軸状態にするために,油圧ジャッキを新規に作製する側圧用載荷フレームに組み込んで用いた。実験条件は,コンクリート強度,側圧の大きさを変えるものとした。 フーチングを模したマッシブなコンクリートに定着した異形鉄筋に,引抜き・押込み力を交互に載荷する実験を行った。装置として,1000kN載荷フレームと両動オイルジャッキを用いたが,載荷フレームとジャッキ,ジャッキとロードセル,ロードセルと鉄筋との接合金具を作成した。この実験では,引抜き・押込み力と伸び出し量の計測を行った。引抜き・押込み力の計測には,引張力と圧縮力が測れるロードセルを用いた。本研究においては,・伸び出し量を精度良く測ることが重要である。そのために,ピアノ線を用いてフーチング上端の鉄筋の動きを測定する方法を用いた。
|