筆者らは以前より、過圧密を利用した液状化対策工法として載荷盛土工法および地下水位低下工法を想定し、繰返し中空ねじり試験を行って、それらによる過圧密効果に関する研究を行ってきた。その結果、(1)載荷盛土工法による方が地下水位低下工法によるよりも過圧密効果が大きい可能性があること、(2)両工法による液状化強度の増加は、過圧密比とKo値を用いて定式化できること等が明らかになっている。 このような結果を踏まえ、本研究では、(1)両工法が併用された場合、(2)過圧密履歴を長時間受けた場合を想定し、それぞれの条件下での砂地盤におけるKo値の挙動および液状化強度の増加傾向を明確にすることを目的とした。この3年間において、(1)については、両工法を併用した場合、過圧密後のKo値は適用順序に影響を受けるが、液状化強度はKo値と過圧密比によって決まってくることが明らかになっている。また、(2)については、等方応力条件下で長期圧密を受けた場合、圧密時間とともに液状化強度は増加するが、その増加率は過圧密比2での増加率よりも若干小さいこと、また、過圧密比2の場合、最大鉛直有効応力により長期圧密されても、その長期圧密による液状化強度の増加は見られないこと、等が明らかになっている。さらに、(2)について、Ko応力条件下において過圧密履歴を受けた砂の液状化強度に与える長期圧密の影響を明らかにするため、過圧密過程での長期圧密効果および長期圧密過程での過圧密効果について実験を行った結果、過圧密過程において、最大鉛直有効応力により長期圧密を受けた場合には、その効果は見られないが、長期圧密過程において、過圧密履歴を受けた場合には、圧密時間が長くなるほど液状化強度は増加し、その長期圧密効果は圧密時間の関数で表されることが明らかになっている。
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