人のモビリティを保障するために、都市部ではバスとタクシーの間のDRT(デマンド・レスポンシブ・トランスポート)に着目し、調査を実施した。また過疎的地域ではDRTに関連した人の移動と交通手段利用特性の調査を行った。 (1)都市型と地方型のDRTについては、都市型は多摩市で行なった実証実験について、研究室でシステム支援と様々なデータ収集により都市型のDRTシステムの効果と問題点の調査が終了した段階である。多摩地域において行なった調査として調査方法は対象地域の住戸に一世帯2枚のアンケート調査を実施した。事前の調査としてDRTの料金、乗り合い、運行頻度、目的地、運賃など要因の何が最も影響するかの分析をおこなった。その結果、予約と運賃が利用に大きな影響をもたらす事が分かった。 (2)過疎的地域については、青森県下でバス交通が極めて少ない地域を対象として移動制約と外出頻度や利用交通手段などの調査を実施した。バス廃止前の調査として地域住民住戸一世帯2通としてほぼ全戸配布した。調査により住民にとってバス廃止は大きな問題であることが指摘された。 (3)また、2003年に行なわれたフィレンツェのDRTの文献を翻訳し冊子として印刷した。様々なタイプのDRTとして高齢者中心のSTサービスを減らすスウェーデンイエテボリのタイプ、過疎地域では英国アンガス地方のタイプ、都市域においてバスとの連携を行うフィレンツェタイプなどがみられた。
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