研究課題
航空機や人工衛星にカメラやレーザー機器などを載せて、リモートセンシング及びCV(コンピュータビジョン)の技術を用いて、地上の建物や木々や山などの形状、色などの情報をコンピュータに取り込んで、都市の3次元モデルを作って、それを活用しようという研究がさかんである。身近になりつつある都市の3次元モデルとしては、カーナビやデジタル地図の3次元表示などがある。欧米では、もっと活用がさかんで、アメリカの主要な都市の3次元モデルは既にできていて、不動産情報配信や携帯電話の電波が通るかどうかを確かめるために使われている。しかし、都市の3次元モデルの利用方法は、それだけにとどまらず、都市計画、まちづくり、建築、景観評価、防災等のアカデミックな分野から公共事業の情報公開、まちづくりへの住民参加の場、観光案内、企業の広告、営業活動の場としてまで活用が期待される重要な「情報インフラ」である。ところが、その3次元都市モデルを作るためには、3次元CGソフト等を使った多くの手作業を行う必要があり、製作者は、膨大な時間と手間をかけてモデリングを行っている。そこで、本研究では、手間のかかる作業を省くために、GIS(地理情報システム)が管理する電子地図の土台の上に、3次元モデルの復元を行うCVを用いて、地物のステレオ画像から得られる3次元形状データに基づいて、建物などの3次元モデルを自動的に作成するシステムの開発を目指す。その得られる3次元形状データは全く構造化されていない点の集まりであり、それを認識して、基本立体(直方体やプリズムなど)に置き換え、CGのプロセスで、基本立体を生成、配置することで、建物等の3次元モデルを自動生成する。研究実績の概要を以下にまとめる。(1)得られる形状データ、具体的には、オルソ画像や電子地図上の建物の境界線を整形、認識するGISのシステムを開発した。通常、建物境界線には、ノイズ辺が存在し、それらをフィルタリングし、コアポリゴンを導き出すアルゴリズムを開発した。(2)ノイズ辺をフィルタリングした建物ポリゴン上に建物の3次元モデルを配置するCGのプロセスを開発した。(3)電子地図上の川の中心線や堤防の等高線から川底面、堤防面、護岸壁面を構成する点群を生成し、それら点群をドローネ三角形分割し、点群に対して、三角面(TIN)を割り当てるシステムを開発した。(4)名古屋市の名古屋城近くの「名城・柳原地区」の都市再生プロジェクトと豊田市駅前近くのエリアの「水と緑のネットワークで都市再生」というプロジェクトで、現況や代替案の「3次元都市モデル」の自動生成を行った。
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