研究課題/領域番号 |
16560473
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
松井 寛 名城大学, 理工学部, 教授 (20024242)
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研究分担者 |
高橋 政稔 名城大学, 理工学部, 教授 (40076576)
荻野 弘 豊田工業高等専門学校, 教授 (70043205)
野田 宏治 豊田工業高等専門学校, 教授 (40132609)
藤田 素弘 名古屋工業大学, 大学院, 助教授 (90229013)
松本 幸正 名城大学, 理工学部, 助教授 (30239123)
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キーワード | バリアフリー / 心拍数 / 代謝エネルギー / 交通負担感 |
研究概要 |
公共空間、とくに大都市の鉄道ターミナル内の乗り換えに伴う負担感を計測するため、本年度は2つのアプローチから研究を進めた。1つは、生理学的アプローチから心拍数と代謝エネルギー量の計測から乗り換え時の移動負担感を定量的に捉えようとするもので、心拍数については(株)ジー・エム・エス社製のLRR-03メモリー心拍計を、また代謝エネルギー量については(株)アイ・テェイ・リサーチ製の歩行形態判別装置(ICC)用いて計測した。もう1つのアプローチは心理学的アプローチで、一般市民(サンプル数314)を対象としたアンケート調査から移動施設(平地歩行、緩やかな坂道上りと下り、急な坂道上りと下り、階段上りと下り、エスカレータ上りと下り、エレベータ上りと下り)ごとの移動負担感を質問し、その結果より100m平地歩行したときを1としたときの各移動施設の負担感の等値換算係数を求めた。以上の研究結果から明らかになったことは、単位時間当りの心拍数でみた移動負担量は、階段上りが大きく、ついで階段下り、坂道上り、坂道下り、エレベータ待ちの順となった。一方代謝エネルギー量についてもほぼ同様の結果が得られ、心拍数と代謝エネルギー量には相関のあることがわかった。一方心理量からみた移動負担感については、年齢別、性別の平坦な歩道100mに対する移動施設ごとの等値換算係数を推定することができた。これらの研究結果からバリアフリー施策の計画と評価のための貴重な基礎資料をえることができた。次年度は生理学的にみた負担量と心理学的にみた負担感の相互関係を明らかにするとともに、バリアフリーのための最適設計について研究を続ける予定である。
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