研究概要 |
本研究は,不連続体解析によりバラスト軌道の動的破壊挙動を再現し,その構造的問題点を明らかにするとともに,砕石形状の計測システムを構築し,二次元および三次元の数値モデル化手法を提案するものである。さらに,砕石集合体の三次元的な挙動の測定装置を開発し,その性能と適用性を調べた。本研究により,以下の成果が得られた。(1)三次元形状の計測システムの構築と砕石形状測定 三次元デジタイザを用いて,砕石形状の計測システムを構築し,データ取得プロセスを自動化した。また,バラスト砕石現物の二次元および三次元形状を測定し数値情報化した。(2)二次元および三次元の不連続体の数値モデル化手法の提案とその応用 砕石の実測データを二次元および三次元のCAD上にとりこみ,道床を二次元多角形集合体,および,三次元多面体集合体で再構成し,道床に関する不連続体モデルの構築手順を確立した。また,数値情報化した砕石形状の応用として,楕円体近似による三次元形状の評価手法を提案し,さらに,砕石形状の実測データと比較し,提案方法の有用性を確認した。(3)不連続体解析による道床の動的破壊挙動の解析 作成した道床の不連続体モデルに動的荷重を作用させ,砕石の局所的な運動エネルギー量をパラメータとして,砕石道床の動的応答特性を調べた。(4)砕石の埋込み式三次元挙動測定装置の開発とその性能測定 多角形ブロック内部に,半導体ピエゾ抵抗式の超小型加速度計を埋め込んで,砕石の三次元挙動測定のための測定装置を試作した。試作したバラスト内部砕石の埋込み式三次元挙動測定装置について性能試験を実施し,本装置で砕石の多軸の挙動測定が可能であることが確認できた。
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