近年、都市内において、地震や火災発生あるいは大規模イベント開催における混乱に伴う二次的災害や、ターミナル駅等の交通結節点における混雑などを解消する必要性から、ダイナミックに時々刻々と変動する多くの人々の流動を日常的に把握する必要が出てきている。国土交通省のより安全、快適な国土を構築するという立場からも、ダイナミックに変化する人々の動きを総合的すなわち面的に把握することは適切な交通政策の立案あるいは安全な公共空間の確保という観点から必要不可欠である。 平成16年度は実際の東京都市圏の鉄道ネットワークデータや100万人程度のパーソントリップデータ(平成10年度調査分)をGISデータとして整備し、人間の移動行動をできるだけ現実に忠実に生成する、動く「デジタル東京」の基礎データを作成した。また、大量のアニメーションデータを表現する手段として民間のGIS、CG等のソフトウエアを調査し、特性を把握した。17年度はこれらの膨大な移動データを直感的にわかりやすくアニメーション化する手法、そのために調査データから時間的な内挿を行う手法、データベース管理する手法、またカメラから人の流れを計測する方法などをあわせて試行することで、技術開発や利用モデル開発のプラットフォームへの道筋をつける事を目指す。
|