研究概要 |
廃家電の80%は,家電リサイクル法に従って家電リサイクルプラントに搬入され処理が行われている。また残り20%については,地方自治体により不燃物または粗大ごみとして回収,処理など行われる。 平成16年度は,計画にそって,廃家電のフロー調査および処理残渣の性状について検討を行った。 家電リサイクルプラント2カ所にヒアリング調査を行った。一般に公表されている処理フローの細部および処理後の残渣(逆有償となる廃棄物)についてヒアリングを行った。施設により,処理方針が異なり,細部については差が認められた。例えば,各種金属を含むと考えられているプリント基板について,直接非鉄精錬施設へ搬入・処理を行うもの,家電リサイクルプラント内で破砕選別まで行ったのち,非鉄精錬施設へ搬入・処理を行うなど,コスト,地域性などの影響が考えられた。なお,数量・質の詳細については,企業活動に関わるため公開が行われない。 廃家電の約20%が処理されていると推定される自治体不燃物リサイクル(破砕)施設において,データ調査および残渣性状調査を行った。家電の処理割合を調査したところ,搬入される不燃物・粗大ごみの10%程度が家電であることが分かり,月別のデータより季節変動も認められなかった。また鉄・アルミニウムの回収のみ行われることが一般的であり,破砕処理後の不燃破砕残渣は,埋立地に処分されている。また,不燃物リサイクル(破砕)施設より排出された不燃破砕残渣を用いて,金属類の環境負荷を検討した。実験では,組成分析,含有量試験,環境庁告示13号溶出試験,pH依存性試験を行った。今回用いた不燃破砕残渣は,多種の金属を含有し,溶出率は低いが重金属類も溶出している。また埋立地内では同時に処分される廃棄物の種類によりpHが大きく変化するが,pHが高い領域ではPbなどの溶出促進が認められた。
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