研究概要 |
廃家電の80%は,家電リサイクル法に従って家電リサイクルプラントに搬入され処理が行われている。また残り20%については,地方自治体により不燃物または粗大ごみとして処理が行われている。 1)廃家電のフロー調査および処理残渣の性状の検討 家電リサイクルプラント2カ所にヒアリング調査を行った。細部については差が認められ,例えば,各種金属を含むと考えられているプリント基板について,直接非鉄精錬施設へ搬入・処理を行うもの,家電リサイクルプラント内で破砕選別まで行ったのち,非鉄精錬施設へ搬入・処理を行うなど,コスト,地域性などの影響が考えられた。 2)破砕不燃残渣の性状調査 一般廃棄物不燃物破砕施設(九州地区FT工場)において,データ調査および残渣性状調査を行った。処理搬入物の10%程度が家電であり,月別のデータより季節変動も認められなかった。破砕処理後の不燃破砕残渣は,埋立地に処分されている。不燃物破砕施設より排出された不燃破砕残渣の性状調査として,組成分析,含有量試験,環境庁告示13号溶出試験,pH依存性試験を行った。FT工場の不燃破砕残渣は,多種の金属を含有したが,溶出濃度は処分基準以下と低かった。 同様に一般廃棄物不燃物処理施設(関東地区TT工場)に関する性状調査を行った。 4.75mm以上の部分について組成分析(重量)を行ったところ,プラスチック43%(軟質10%,硬質33%)ガラス26%,石・陶磁器など19%,金属3%,プリント基板2%となり,FT工場とは多少異なる組成割合であった。この原因としては,分別収集の品目が異なること,破砕施設での処理フローが異なり,金属類の回収効率が高くなっていることが考えられた。 4.75mm以下の分類不能な部分に関しては,粒径による影響がFT工場よりも大きく認められた。 2施設についての検討を行ったが,さらに広域な多施設での検討が必要であろう。
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