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2005 年度 実績報告書

連続繊維補強材の定着を確保したコンクリート造及び組積造壁の革新的補強方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16560493
研究機関福井大学

研究代表者

小林 克巳  福井大学, 工学部, 教授 (40150297)

キーワード耐震補強 / 連続繊維補強材 / せん断耐力 / 変形能力 / 定着 / CFアンカー / 鉄筋コンクリート造耐震壁 / 組積造壁
研究概要

繊維ストランド束を壁板に縫付け、柱のせん断補強を兼ねて柱に巻きつけて定着する方法をインフィルブロック壁の補強に適用するために、トルコで行われている補強方法の実験を中東工科大学にて見学した。これをもとに実験計画を作成した。穴あき模型ブロックを製作し、先ず3体のインフィルブロック壁の補強実験を行い、補強効果を確認した。次に、補強繊維のコストも考えてビニロン繊維ストランドを使用し、補強量を変動因子とした4体の実験を行った。穴あきブロックの組積造壁であると、RC耐震壁と違って本補強方法による壁板の耐力増加は小さいが、変形能力は補強繊維量に比例してRC耐震壁と同じように増大することがわかった。昨年度の力学モデルの修正を行い、補強効果の定量化を試みたが、さらにデータの蓄積が必要である。これまでの研究成果を第7回連続繊維補強コンクリートに関する国際シンポジウム(FRPRCS-7)で発表し、途上国の組積造壁の補強方法として明解な方法であるとの評価を受けた。
鉄筋コンクワート造耐震壁あるいはインフィルブロック壁をCFシートで補強した場合の、CFシート端部の定着に用いる新しい改良型CFアンカーの基本性能を明らかにする要素実験を継続した。接着面積が大きくなる利点を生かし設計引張耐力の70%まで安定した耐力を得られるようになったが、さらに仕様の改善が必要である。テキサス大学オースチン校ファーガソン研究所にて、CFアンカーの応用について研究打合せを行い、CFアンカーがCFシートの剥離防止にも極めて有効であることを確認した。そこで、梁中央下端をCFシートで曲げ補強した定着領域にCFアンカーを取り付けた実験を実施した。その結果、CFシートが破断するまで、定着を確実にできることがわかった。今後、CFアンカーの位置と数を決める設計方法を開発する必要がある。
次年度には、CFアンカーを含むCFシートによる補強、本補強方法とその他の方法の組み合わせ、簡便で安価な方法等を模索する一方、軸力の導入など実際の荷重条件に近づけて実験データの蓄積を図り、耐震補強設計方法のガイドラインを示す必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] RC造耐震壁を対象とした連続繊維補強材による新しい耐震補強方法とその効果2005

    • 著者名/発表者名
      小林克巳
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集 C-2

      ページ: 601-602

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Innovative Application of FRPs for Seismic Strengthening of RC Shear Wall2005

    • 著者名/発表者名
      Katsumi Kobayashi
    • 雑誌名

      American Concrete Institute, 7th International Symposium on Fiber Reinforced Polymer Reinforcement for Reinforced Concrete Structures SP-230

      ページ: 1269-1288

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [産業財産権] コンクリート壁板の補強方法及びその補強構造2004

    • 発明者名
      小林 克巳, 加藤 公和
    • 権利者名
      福井大学, 前田工繊(株)
    • 産業財産権番号
      特願2004-298930
    • 出願年月日
      2004-10-13

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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