研究概要 |
本研究の目的は,様々な研究者が独自に開発した構造解析プログラムを統合することで,より高度で高精度な構造解析システムを構築しようというものである.まずは研究代表者が開発した「合成梁解析用プログラム」と「軸力材の曲げ座屈解析用プログラム」を「骨組解析プログラム」に統合した解析を行い,インターネットを介して異種プログラムを統合可能なことを示し,その成果を論文に発表した.さらに,研究分担者の金尾氏が開発した「横座屈解析用プログラム」と,大神氏が開発した「局部座屈解析用プログラム」の統合化にも成功し,それらの成果を国内会議および国際会議の場で発表した.これらの成果発表を通じ新たな研究協力者を得,本コラボレーションの輪を広げることができた.すなわち,玉井宏章助教授(広島工業大学)の「露出柱脚の弾塑性解析プログラム」,安井信行助教授の「円形鋼管の局部座屈解析プログラム」との統合化にも成功した.また,Peng Pan博士(京都大学)の協力を得,数値情報の通信技術を飛躍的に改良することができた.今年度の成果としては,サブストラクチャーの解析プログラムとホストプログラムの間で,剛性行列・変形増分・復元力を通信し合う方法についてあるレベルの成果を修めた.ロバスト性に富むシステムを構築するための新しいアイデアも得られており,次年度の活動に反映させるつもりである,本研究では電子メールなどによる構成員間のコミュニケーションを基本としたほか,研究代表者・分担者・協力者が集まって数回の研究会合を開き,各自の分担分野についての意見交換を行った.
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