研究課題/領域番号 |
16560506
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
皆川 洋一 鹿児島大学, 工学部, 教授 (30128459)
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研究分担者 |
山本 憲司 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70311884)
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キーワード | 円筒タンクの振動 / 高次振動モード / 非線形振動応答 / 分数調波振動 / 高調波振動応答 / オバリングモード / 動的連成振動 / 水平振動実験 |
研究概要 |
水の入った円筒タンクを水平振動台に設置して、正弦波を作用させると、ある領域で外力振動の1/2倍、および1/3倍を有する強烈な振動応答が分岐することが知られている。この振動の発生のメカニズムを検討するための実験的な研究を遂行している。 円筒タンク供試体(直径84mm、高さ200mm)を、正弦波を作用させた水平振動台の上に設置し、3個のパラメータ水高(0mm-190mmまでおおよそ20mmで変化)、振動台の外力振動数(30Hz-720Hz)、および加速度(0.5g、1.5g、2.0g)を変化させた実験を行い、応答を測定した。応答を分析し、円筒の周方向のフーリエ級数展開次数0-7波までの振動モードと外力振動数の応答曲線を描いた。振動の成分は外力振動数と同一の振動数を有する基本振動成分、外力振動数の1/3倍、1/2倍の振動数を有する分数調波振動、および外力振動数の3倍、2倍の振動数を有する高調波振動に分析し、それぞれの振動数に対応する各展開次数の応答曲線に分解した。 従来、利用していた測定システムで、AD変換ボードの変換速度が遅かったので、外力振動数が510Hz程度までしか測定ができなかった。新しい測定システムを利用して、外力振動数500-600Hzの下で、展開次数N=8を有する振動モードが関係する分数調波振動の分岐が生起することが分かった。既往の実験応答と照合して、分数調波振動が生起する要因が一段と明確になってきた。今までの研究ではこの振動が発生する振動数領域の例が少なかった。今回、新たな振動数領域で分数調波振動が発生することが確認されたので、この応答が分岐する条件が推察し易くなったからだ。
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