研究課題
昨年度までの2年間において、2次元面内問題として長周期微動の水平/上下動スペクトル比を用いた不規則基盤面形状推定のためのインバージョン手法を2層の地下構造モデルに関して確立することができた。今年度は、提案インバージョン手法をより現実的な地下構造を扱うため、堆積層内における媒質の速度構造が変化するモデルへの拡張を行った。堆積層を多層モデル化し、それら中間層境界面深度を基盤面同様、探索空間に加えた場合、優良な最適解を得るには2層構造モデルに比べより多くの計算量を必要とする。そこで堆積層を深度の関数等として、基盤面深度とは独立に与えることにより2層構造モデルと同程度の効率で最適解を得ることができることが分かった。さらに、逆解析において設定される初期パラメターも2層媒質の場合と同様の値を用いることで、同じ計算効率で最適解が得られることも分かった。実際の地下構造は3次元であるので本手法で扱った2次元問題と3次元不規則構造による水平/上下動スペクトル比の比較および実観測記録における3次元構造の影響の調査を行っておく必要がある。実観測記録については既に、大阪平野を主として多くの測線で得られている。今年度において本研究課題は終了するが、得られた成果を基に次年度以降これらの問題について検討して行く予定である。今年度は最終年度となるので、過去3年間の研究成果を論文3件、口頭発表(梗概付き)4件にて公表を行った。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
建築学会構造系論文集 No.603
ページ: 69-76
第12回日本地震工学シンポジウム論文集 No.12(on CD-ROM)
ページ: Paper No.70
Proceedings of 3th International Symposium on the Effects of Surface Geology on Seismic Motion (Grenoble) No.3(on CD-ROM)
ページ: Paper No.15