研究課題/領域番号 |
16560521
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研究機関 | 独立行政法人建築研究所 |
研究代表者 |
河合 直人 独立行政法人建築研究所, 構造研究グループ, 上席研究員 (70186047)
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研究分担者 |
箕輪 親宏 独立行政法人防災科学技術研究所, 総括主任研究員
花里 利一 三重大学, 工学部, 教授 (60134285)
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キーワード | 五重塔 / 固有振動数 / 振動モード / 減衰定数 |
研究概要 |
平成17年度には、既往の研究に関する文献調査を継続して進めたほか、法華経寺五重塔(千葉県市川市)、厳島神社五重塔(広島県佐伯郡)の2基の五重塔及び防災科学技術研究所で振動実験に供される1基の五重塔模型について、常時微動測定を行った。その結果、法華経寺五重塔では、1次から3次の固有振動数が0.83Hz、2.42Hz、4.27Hzにあり、厳島神社五重塔では、1次から3次の固有振動数が0.87Hz、2.44Hz、4.37Hzにあった。また、法華経寺五重塔の人力加振後の自由振動波形による減衰定数は1.6%であった。また、法華経寺五重塔の振動モードは、1次モードは高さ方向に同位相の並進振動、2次モードは五重床付近が節になって上下で位相が逆転する高さ方向2次モード、3次モードは三重と五重が節となって位相が逆転する高さ方向3次モードであることが確認された。平成15年度に実施した日光東照宮五重塔の常時微動測定の結果では、2次モードで塔身と心柱が逆位相となっていたが、法華経寺五重塔では同様の懸垂式の心柱を有する構造であるにもかかわらず、2次モードでは塔身と心柱が同位相であることが確認された。一方、振動台実験に供する五重塔5分の1模型の常時微動測定では、心柱が初重の天井上から建つ場合、四重小屋から建つ場合、心柱相輪がない場合のそれぞれについて、1次の固有振動数が3.1Hz、2.6Hz、2.9Hzと変化することが確認された。これらの固有振動数や振動モードについての解析的な検討を行うため、塔身におけるせん断変形と曲げ変形、心柱の曲げ変形を有する五重塔の振動解析モデルに関する検討を行った。
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