研究課題/領域番号 |
16560528
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
三浦 昌生 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (50173985)
|
研究分担者 |
中口 毅博 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (30338313)
持田 灯 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183658)
富永 禎秀 新潟工科大学, 工学部, 教授 (00278079)
|
キーワード | 住環境 / 住民参加 / 自治会 / 二酸化窒素 / 交通騒音 / 環境マップ / 地区スケール / 環境実測 |
研究概要 |
・本研究は、住民主導で住環境改善活動を推進することを志向し、住民が行う住環境実測、住民意識アンケート、住環境マップ作成、懇談会開催を支援するケーススタディを行い、これを通じて「活動マニュアル」「住環境データベース」「計測・分析ツール」で構成される「支援システム」を構築することを目的とする。 ・自治会側が受身となることを防ぐため、ケーススタディの対象とする自治会を広く募集し、自治会側から自発的に応募させた。自治会長名簿を入手した埼玉県内及び東京都の12市区1493自治会の会長へ応募資料を送付したところ、65自治会から応募があった。その中から、本年度のケーススタディの対象として、(1)商業地と住宅地が混在する地区のG自治会(埼玉県草加市)、(2)鉄道駅周辺商業地域に建つ高層集合住宅のA自治会(埼玉県上尾市)を選定した。 ・両自治会において、住民対象アンケートの結果に基づき、実測を行い住環境マップを作成する項目を自治会と相談した。その結果、G自治会では、車両交通量、街灯照度、二酸化窒素濃度、A自治会では、車両交通量、騒音レベル、二酸化窒素濃度の実測を住民が行い、研究者が支援した。二酸化窒素濃度実測では、捕集カプセル開放による実測を各世帯で行ったが、両自治会ともこれに留まらず、濾紙や薬品を用いて捕集カプセルを製作する作業を住民が主体となって行った。これが住民の意識向上やその後の活動への参加につながった。 ・研究者の支援のもと自治会が新聞を発行し全世帯に配布した。この新聞に実測結果報告や活動案内を掲載することで、自治会から住民への情報提供手段となることを確認した。 ・住環境実測と住民意識アンケートの結果を視覚的に表現した住環境マップを研究者が作成し、懇談会でそれをもとに住民同士が住環境の実態とその改善について話し合った。自治会幹部、住民、研究者の座席配置が住民の発言内容に影響を与えることが観察された。 ・アンケートの実施に当たっては、回答者の人権やプライバシー保護に十分留意した。
|