研究課題
・「朝日住宅図案集」(昭和4年)に掲載されている住宅プラン85戸、及び雑誌『住宅』(昭和6〜9年)に掲載されているあめりか屋設計以外の住宅114戸を対象に通風環境について分析した。・共通の分析内容は、(1)平面型、(2)住宅の基本的形状(面積、外周長、開口部形状など)(3)居間の基本的形状(面積、位置、開口部形状など)、(4)通風の様相(通風可能面積率、通風輪道など)とし、図面から諸データを読み取った。各データは、単純集計、クロス集計、およびクラスター分析などにより分析を行った。・「朝日住宅図案集」の住宅通風可能面積率は、平均25.4%であった。住宅平面型と通風経路、1階床面積と通風可能面積率の関係などにおいて分析した結果、大正時代から昭和戦前期にかけて、居間の洋室化・独立性の確保が推進され、居間の閉鎖化の傾向があったが、本対象事例では日本の気候風土に適応させるよう、居間の通風環境を確保するための様々な工夫が見られた。・雑誌『住宅』の住宅通風可能面積率は、平均45.4%であった。「朝日住宅図案集」に比べると、住宅平面型では、中廊下型が多く見られ、和式の居間が多く、北側廊下や隣室との開放性がより高まっている。雑誌『住宅』にも、住宅の構造や間取りを工夫することにより、夏涼しく住むというテーマの論文も多く、それを実践した形で、通風環境を良く設計された住宅が増えている状況が見られた。
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The 5th International Conference on Indoor Air Quality, Ventilation and Energy Conservation in Buildings (CD_ROM)
日本建築学会大会学術講演梗概集 D-2
ページ: 801-802
第28回人間-生活環境系シンポジウム報告集 28
ページ: 129-132