研究課題/領域番号 |
16560555
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
門内 輝行 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90114686)
|
研究分担者 |
村山 武彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00212259)
木村 忠正 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00278045)
|
キーワード | 人間-環境系 / デザインプロセス / 創発 / 記号論 / 記号過程 / メタファー / アナロジー / シンセシス |
研究概要 |
20世紀の大量生産・大量消費の時代を通じて、身の回りには人工物が溢れ、人工物の集合が人間存在のあり方を規定するようになっている。この局面におけるデザインの役割は、新しい事物をつくり出すよりも、人間と環境との豊かな関係を構築することにある。本研究の目的は、人間-環境系のデザインプロセスの特徴を明らかにすると共に、デザインプロセスを記号論の視点から分析し、創発的なデザインが生成される仕組みを探求することである。本年度は、次の項目について研究を行った。 (1)人間-環境系のデザインプロセスの基本原理の定式化 自然との共生や人間相互の絆を大切にするデザインをめざして、人工物相互の関係、人工物と人間・環境との関係をデザインする「人間-環境系のデザインプロセス」の基本原理を定式化した。 (3)人間-環境系のデザインプロセスに関するデータベースの作成 保存・修復・再生のデザイン、エコロジカルデザイン、多様な要素のアンサンブルからなるランドスケープデザイン、リスクに対応する安全・安心のデザイン、バージョンアップを含む製品シリーズのデザインなど、人間-環境系のデザインプロセスの事例をデータベース化した。 (4)記号過程としてのデザインプロセスの分析 デザインプロセスを記号の生成・退化・変形・結合等の記号過程とみなす記号論的アプローチを展開した。デザインプロセスは、曖昧なイメージから様式あるいはプロトタイプと呼ばれる型に至る様々なタイプの記号形態の変換を伴う記号過程として捉えられる。本年度は、創発的プロセスで重要な役割を果たす「メタファー(アナロジーを含む)」に焦点を結び、その記号過程の仕組みを分析した。
|