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2005 年度 実績報告書

ジルコニアの等温および非等温マルテンサイトの結晶学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16560579
研究機関鳥取大学

研究代表者

早川 元造  鳥取大学, 工学部, 教授 (60093621)

研究分担者 音田 哲彦  鳥取大学, 工学部, 講師 (80273879)
赤尾 尚洋  鳥取大学, 工学部, 助手 (70335503)
キーワードジルコニア / イットリア添加 / マルテンサイト / 非等温変態 / レンズ状マルテンサイト / ピラミッド状マルテンサイト / マルテンサイト現象論 / 格子不変歪
研究概要

低濃度のイットリア(1.5〜1.9mol%)を含むジルコニアは急冷により正方晶を室温まで持ち来すことができる.この正方晶相は極めて不安定で,200〜300℃に加熱すると等温変態により単斜晶相へ変態し,サブゼロ冷却するとバースト的に単斜晶相へ変態するという二面性を持っている.いずれの変態による生成物も結晶学的には同一の単斜晶相と考えられるが,生成する環境が異なるのでマルテンサイトの形態も異なる可能性がある.等温マルテンサイトについては既に報告したので,ここでは主に非等温的(バースト的)に生成したマルテンサイトの形態を結晶学的な観点から明らかにすることを目的としている.
用いた試料はZrO_2-1.9mo1%Y_2O_3の焼結体を2000℃×100hでの焼鈍により最大〜30μmの粗粒結晶としたものである.これらの試料をサブゼロ冷却により非等温マルテンサイトを生成させ,SEM,TEM,AFM等を用いて形態観察および晶癖面解析を行った.
等温マルテンサイトは典型的な板状であったが,非等温マルテンサイトはレンズ状およびピラミッド状の形態をとることが見いだされた.板状およびレンズ状の形態は金属材料において観察されるものと類似しているが,ピラミッド状の形態はこの材料特有の形態である.板状およびレンズ状のマルテンサイトの晶癖面について2面解析を行った結果(103)近傍であることが明らかになった.また,TEM試料においてレンズ状マルテンサイト中に(101)双晶とみられる多数のストライエーションが観察された.この双晶が格子不変歪みとして働いていると仮定して現象論計算を行った結果,(130)晶癖面が予測され,これは観察結果と一致した.また,EBSPとAFMにより測定したレンズ状マルテンサイトの起伏角度も現象論計算と一致することが明らかにされた.
一方ピラミッドの形態は4つのバリアントによる歪み緩和形態であることはTEMによっても確認されたが,具体的なバリアントの組み合わせについては今後の課題とする.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Crystallographic study of the isothermal and athermal martensites of yttria doped zirconia2006

    • 著者名/発表者名
      J.-H.Pee, M.Tada, M.Hayakawa
    • 雑誌名

      Materials Science & Engineering (印刷中)

  • [雑誌論文] Redox behavior during the transformation in zirconia with low yttria content2006

    • 著者名/発表者名
      T.Akao, T.Motohashi, M.Karppinen, H.Yamauchi, M.Hayakawa
    • 雑誌名

      Materials Science & Engineering (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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