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2005 年度 実績報告書

マグネシウムの塑性変形における活動すべり系の寄与のマルチスケール解析

研究課題

研究課題/領域番号 16560580
研究機関熊本大学

研究代表者

安藤 新二  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40222781)

研究分担者 頓田 英機  熊本大学, 工学部, 教授 (90040386)
キーワードhcp金属 / 非底面すべり / すべり変形 / 双晶変形 / 温度依存性 / マグネシウム単結晶 / 転位芯構造 / 分子動力学シミュレーション
研究概要

ブリッジマン法により純Mg単結晶を作製し,<0001>圧縮試験を,77K-473で行った結果,すべての温度範囲で{11-22}<-1-123>2次錐面すべりにより降伏した.その降伏応力は,77K-133Kでは負の温度依存性を示すが,133K-293Kでは異常温度依存性を示した.それ以上の温度では,再び負の温度依存性を示した.この降伏応力の値は,2次錐面上のせん断方向が同じである<11-20>引張の場合に比べて1.5-2倍高い値であり,シュミットの法則が成り立たない特異性を示すことが明らかになった.また<0001>圧縮における破断までの塑性歪量は77K-293Kでは約0.5%程度であり,<11-20>引張の1/5程度であることも明らかになった.
Mgの変形に対する元素の影響を考えるために,蒸留法による高純度Mg単結晶を作製し,室温で<11-20>引張試験を行った.,この場合も2次錐面すべりが活動したが,その降伏応力は1/2に低下し,不純物元素が非底面すべりに強く影響することが示された.しかし詳しいメカニズムは不明である.
このMgにおける2次錐面すべりの転位運動を分子動力学シミュレーションにより解析した.約200000個の原子からなるモデル結晶を作製し,これに転位の発生源として底面に平行な切り欠きを入れ<0001>引張を行った.その結果,切り欠き先端から2次錐面上を,1/2(c+a)の部分転位が発生した後,後続の1/2(c+a)転位が発生した.すなわち2次錐面すべりでは,(c+a)転位は最初から部分転位の状態で運動することがわかった.これは,2次錐面すべりの降伏応力の異常温度依存性の原因である(c+a)転位の不動化機構を,合理的に説明するものであるといえる.このことは,ミクロスケールにおけるシミュレーションの重要性を示している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] (c+a)刃状転位の運動過程における芯構造分子動力学シミュレーション2005

    • 著者名/発表者名
      安藤新二, 津志田雅之, 頓田英機
    • 雑誌名

      日本金属学会誌 69巻10号

      ページ: 855-858

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Crack Propagation Behavior in Nano Size HCP Crystal by Molecular Dynamic Simulation2005

    • 著者名/発表者名
      Shinji Ando, Katsuhiro Oyabu, Kousei Hirayama, Masayuki Tsushida, Hideki Tonda
    • 雑誌名

      Key Engineering Materials 297-300

      ページ: 280-285

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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