研究課題/領域番号 |
16560593
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
成澤 雅紀 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (00244658)
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研究分担者 |
間淵 博 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70109883)
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キーワード | 炭化ケイ素 / 前駆体法 / 金属アルコキシド / フェノール樹脂 / シリコーン樹脂 / カーボンブラック / 相分離構造 / フィラー分散 |
研究概要 |
当申請年度では前駆体法により、Si、C、Oの各元素種が、分布を有しつつ、連続的に密着した状態にある不均質な前駆体を作り出し、焼成後に生成するセラミックスの形態および性質を自由にコントロールすることを目的として研究を進めた。第1に炭素源として粒径の異なるカーボンブラックと、ポリメチルシルセスキオキサン(PMSQ)を溶融プレスすることによって、SiC粒子合成のための前駆体を調製した。本前駆体においては、カーボンブラックの一次粒子径が小さいほど、1838K熱処理時の熱炭素還元反応が迅速であった。これは分散しているCB粒子とSiO_<1.5>C_<0.68>マトリックス間の界面面積が大きいためか、あるいはCB粒子が形成するネットワークが生成ガスの離脱を促進しているものと思われる。また生成SiC粒子のサイズはもとのカーボンブラックのサイズを反映していた(J.Ceram.Soc.Japan、116、121-125(2008))。第2にSiC粒子がサイズや会合状態が、有機溶媒への分散溶液の粘弾性的性質に及ぼす影響に関して、市販のSiCナノ粒子を例にとった研究を行い、分散構造と粘度のずり速度依存性との間に強いの相関が有ることが見出された(J.Ceram.Soc.Japan、115、982-986(2007))。第3に前駆体法によるセラミックス微細構造制御の一環としてポリカルボシランと種々のシロキサン系ポリマーのブレンドについてセラミックス繊維化に関する研究を行った。側鎖にSi-H基を有するポリマーをブレンドした場合に限り、中心に貫通孔の空いた繊維を得ることが出来た。ブレンドした成分のセラミックス収率差に起因すると言う仮説のもとに機構の解明を試みたが、ブレンド量と全体収率との間には有意な相関が認めなられなかった(Key Eng.Mater.、352、69-72(2007))。新たに水素ガスの紡糸融液に対する過飽和溶解を取りいれたモデルを検討中である。
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