研究課題/領域番号 |
16560597
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (50267407)
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研究分担者 |
打越 哲郎 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (90354216)
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, ディレクター (00354217)
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キーワード | 磁場 / 電場 / セラミックス / 配向制御 / 微粒子 / サスペンション / 分散制御 |
研究概要 |
アルミナについては磁場中鋳込み成形とその後の焼結により配向体を作製し、焼結中と焼鈍中における結晶配向の発達と微細組織の発達について検討を行なってきている。強磁場を用いることによる配向制御の汎用性の高さを示すために、16年度においては、他の反磁性セラミックスについても強磁場を用いての配向制御を試み、特に窒化アルミニウム(AlN)に関しての詳しい解析を行った。AlNは水との反応があるために非水系溶媒でのサスペンション作製が必要であるため、アルコール溶媒中での分散制御を検討した。亀裂進展方向が磁場印加方向と平行な場合に、曲げ強度と靭性が共に高いことが分かり、機械的特性が配向方向に依存することを見出した。さらに、熱伝導度も磁場印加方向と平行方向で高いことが分かり、配向方向に依存することを確かめた。これらの結果は、強度、靭性、熱伝導度を同時に向上させることが可能であることを示唆するものである。 また、磁場と電場を重畳作用させることで配向と積層とを組み合わせることにより高次な構造を実現するためのプロセスの開発においては、強磁場中での電気泳動(EPD)法を用いた多層配向制御積層アルミナの作製を試みた。磁場と電場のなす角度(φ_<B-E>)を調節することにより、基板に対する結晶配向方位が制御できることを確認し、EPD中に一定時間毎にφ_<B-E>を変化させることで、結晶配向の方位が異なる層を積層することを試みた。磁場の中と外でBPDを行なうことで配向層と無配向層を交互に積層する、基板を磁場印加方向と水平・垂直に変化させることで基板に対して結晶方位が90゜と0゜に配向した層を交互に積層する、φ_<B-E>を±45゜にすることで基板に対して結晶方位が±45゜に配向した層を交互に積層する、さらに±45゜の層の間にφ_<B-E>=0゜の層を挟む等、さまざまな積層構造を作りこむことが可能であることを実証した。
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