研究課題
FMLは繊維強化樹脂(FRP)層と金属層が交互に積層されたハイブリド材料である。FMLは疲労特性等が優れない金属と衝撃特性等が優れない繊維強化樹脂を組み合わせることで欠点を克服する目的で作られた。アラミド繊維とガラス繊維、金属にアルミニウム合金2024-T3を使用したものが作られ、それぞれARALL【○!R】、GLARE【○!R】として商業的に利用されている。特にGLARE【○!R】は次期大型民間旅客機Airbus A380の胴体下部外壁等に利用されている。過去にガラス繊維に比べ軽量化が期待できる炭素繊維とアルミニウム合金を使用したFMLの開発も行われた。しかし、炭素とアルミニウムの接触によるガルバニック腐食問題が生じる。従って、これを克服したFMLの開発は本研究の使命である。平成16年度において、硫酸陽極酸化とゾルゲル法によるコーティングの研究を進め、特にゾルゲル溶液の各成分による腐食防止への影響について繰り返して研究した。その結果、本研究で考案した硫酸陽極酸化とゾルゲル法による複合膜の作製が成功し、複合膜がガルバニック腐食に対して十分な防止効果を有することを確認した。しかし、複合膜の厚さはまた大きいことと接着強さにばらつきがあり、CFRPと積層した後に剥離が発生する場合があった。平成17年度において、その2点を重点的に研究を進めてきて、次のような成果をあげられた。ゾルゲル溶液の繰り返し試験により、生成した膜の耐食性を保ちしながら、生成した複合膜を15マイクロ以内に制御することが出来た。また、膜の硬化方法に工夫して接着性を向上し、CFRPと積層した後の剥離の発生を抑制することに成功した。さらに、ハイブリッド積層板の引張り試験と層間強度を測定する試験を行い、十分な接着強度を有することを確認した。次年度から、複合膜はアルミ合金とCFRPで作製した積層板の力学特性、特に亀裂進展への抑制効果、疲労強度に与える影響をさらに究明して実験室レベルでのCFRPとアルミ合金のFMLの実現を計りたいと計画している。なお、平成17年度までの研究成果を基に「クロムフリーアルミ合金表面耐食処理方法及び耐ガルバニック腐食CFRP/アルミ合金積層板の製造法」と言う題名の特許出願をした
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Journal of Mechanical Strength (To appear)
Computers & Structures (To appear)
Composite Science and Technology (To appear)
Report of Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University 129
ページ: 37-45
ページ: 25-30
Preceedings of ICCM-15, ID-p102(CDROM)
ページ: 1-10