研究概要 |
平成18年度の研究目標は、(1)太陽電池薄膜、熱電変換素子薄膜、導電性薄膜、絶縁性薄膜など全ての薄膜の積層化を行う。(担当:津久井、岡、足立),(2)作製した複合薄膜の総合的な特性評価を行い、積層化により、各薄膜の特性がどのように変化するのかを詳細に調べ、両者の特性が向上する条件を模索する。(担当:津久井、岡、足立),(3)複合薄膜やバッファ層の接合界面における元素の拡散や、熱勾配の評価などを,実験及び理論的に解明することである。 平成18年度の研究実績は、(a)全ての薄膜素子の積層化に成功,(b)熱電変換素子のゼーベック係数,熱伝導率の精密特性測定法の確立を行った。研究目標の(2)は,積層薄膜のリーク電流や表面平坦性の問題,液的粒子の問題などが生じたため,目標の性能を得ることは出来なかった。 H18年度の研究成果の中で,(b)の精密特性測定法の確立により,膜厚が1〜20μmにおける熱電素子薄膜のゼーベック係数,および熱伝導率を精度良く測定することに成功した。具体的には,(1)熱電素子薄膜の表面と基板表面の間の微小起電力を精度良く測定しゼーベック係数を測定する,(2)熱電素子薄膜の表面と,基板の表と裏側の温度を精度良く測定し,簡単な熱勾配モデルを仮定し,精度良く熱電伝導率を求めることに成功した。 これらの成果は,(i)5件の学術論文や国際会議,(ii)8件の学術講演会やシンポジウムで報告され,(iii)1件の特許出願をすることができた。
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