研究課題
基盤研究(C)
厚板溶接において、良好な結果を得るためには、安定に裏ビードを形成することが重要である。一般に、裏当金あるいは裏当材を設置し、溶接が行われている。しかし、裏当金が十分に溶融できなかった場合、強い力がワークに作用したとき、そこから亀裂が生じる場合がある。これを防ぐためには、溶融池制御が重要である。これを行うために、突出し長さおよびアーク長制御が必要となる。また、ワイヤ突出し長さおよびアーク長の応答は非線形であるので、微分方程式を用いて記述することは困難である。そこで、熟練技術者の知識と経験を用いて行われた基礎実験データを用いて、ワイヤ突出し長さおよびアーク長を出力するニューラルネットワークモデルを構築する。これを行うために、平板上でパルス溶接電流を用いて、基礎実験を行った。同時に、高速度ビデオカメラを設置し、溶接電流、電圧およびワイヤ送給速度を計測した。これをニューラルネットワークの学習データとした。パルス溶接では、電流値が変化する。ワイヤ溶融は熱に比例するので、電流および電圧の実効値が関係する。そこで、パルス電流波形の各周期毎の実効値をニューラルネットワークの入力として用いた。すなわち、電極ワイヤの溶融現象は電流(陽極点の電圧降下との積の効果)、ワイヤ突出し長さ、ジュール熱(電流の2乗項)の効果、ワイヤ送給速度が影響する。これに基づき、突出し長さを推定するニューラルネットワークの学習データを構築した。サンプリング周期を10m sとし、50m s間のデータを用いて、学習を行った。このため、入力層は20とし、出力層は1とした。つまり、50m s間の電流、電圧およびワイヤ送給速度から、突出し長さを推定した。また、裏当て材を用いずに、安定な裏ビード溶接を行うために、45度開先を持つ板厚12mmの母材を用いて、種々のルートギャップにおいてスイッチバック溶接の基礎実験を行った。この結果を用いて溶接溶融池が適正に制御できるように、溶接条件を適応制御した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (14件)
Science and Technology of Welding and Joining 10・3
ページ: 281-286
溶接学会 論文集 23・1
ページ: 65-70
溶接学会全国大会講演概要集 76集
ページ: 170-171
溶接学会全国大会講演概要集 77集
ページ: 148-149
ページ: 152-153
Science and Technology of Welding and Joining Vol.10,No.3
Journal of Japan Welding Society No.23
Preprints of national meeting of J.W.S No.76
Preprints of national meeting of J.W.S No.77
Science and Technology of Welding and Joining 9・2
ページ: 138-148
溶接学会全国大会講演概要集 75集
ページ: 116-117
Science and Technology of Welding and Joining Vol.9,No.2
Preprints of national meeting of J.W.S No.75