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2004 年度 実績報告書

陽極接合継手への逆電圧印加による接合界面損傷の防止法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16560632
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 誠  大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (10294133)

キーワード陽極接合 / 逆電圧 / 欠陥生成防止 / イオン置換 / イオン伝導
研究概要

組成の異なる市販ガラスについて電圧印加によるイオンの移動を利用した銀イオン導入の実験を行い,ホウケイ酸ガラス(Corning 7740)において,ガラス表面から十分な深さまで均一な濃度で再現性のよい銀イオンの導入が可能であることを見出した.そこでこのガラスを用いて,銀を導入したガラス(銀含浸ガラス)とシリコンとの陽極接合を行い,銀を導入しない通常のガラスと同様の接合性を示すことを確認した.こうして得た継手への逆電圧印加の実験を行い、生じる現象を通常のガラスの継手と比較した.通常のガラスの継手では逆電圧印加によって接合界面近くのガラスの亀裂・褐色の斑点が生じるのに対し,銀含浸ガラスの継手ではそのような欠陥は生じず,かわりに接合界面全体が暗灰色に変色した.また逆電圧印加後の継手を浸水すると通常のガラスの継手は特に褐色の斑点が生じた部分で界面の剥離が生じるのに対し,銀含浸ガラスの継手は全く変化を生じなかった.これらの結果から,アルカリイオンの銀による置換が逆電圧印加による陽極接合継手界面の欠陥生成の防止法として有効であることが示された.逆電圧印加による銀含浸ガラスの接合界面変色の原因を知るため界面微細組織の観察を行い,界面近くのガラス中に微小な樹枝状の金属銀析出物が生じているのを見出した.またアルカリイオンの接合界面への集積は検出されず,銀含浸ガラスの継手では逆電圧印加によってアルカリイオンのかわりに銀が接合界面に集積するものの,銀は継手性能にアルカリイオンのような悪影響をもたらさないため欠陥生成が防止されることがわかった.この銀析出物の成長形態に,接合・逆電圧印加の条件が与える影響の観察を行い,接合時に接合界面近傍のガラス中に形成される陽イオン欠乏層の厚さ・逆電圧印加の温度などが銀イオンの移動に影響を与えて析出物の形態変化をもたらすことを見出した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 陽極接合方法および陽極接合構造2004

    • 発明者名
      高橋 誠, 池内 建二
    • 権利者名
      大阪大学, 関西TLO
    • 産業財産権番号
      特願2004-257197
    • 出願年月日
      2004-09-03

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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