研究課題
1.大気溶解された5000系アルミニウム合金の引張試験において、辷り線上に水素の集積が顕著に検出され、これは、ひずみが20%を超えると増大した。また、粒界に集積する水素は、粒界に集積する転位の量が増大する、ねじり粒界において選択的に多く認められた。2.6000系アルミニウム合金の疲労試験中のアコースティック・エミッション(AE)挙動から、中程度の振幅の信号が突発的に検出される時点で亀裂の発生が認められた。また、延性の低下が認められた溶体化処理後の空冷材において、疲労最終破断近傍において高振幅のAEが検出され、これは水素マイクロプリントによって、辷り帯および粒界に集積した水素原子によるものであることが明らかになった。3.人工欠陥(スリット)を導入したガス管からのガス漏洩AE挙動を調べた結果、漏洩ガス流速が音速になるガス圧力(臨界圧力)を超えるとAE平均振幅が急速に増大し、信号に特徴的なピーク周波数力競れた。このピークは、圧力の増加とともに低周波数側に移行することから、ジェット噴流に見られるスクリーチトーンと断定された。一方、円周方向に平行に導入されたスリット(アスペクト比6〜15)すべてにおいて、大気圧近傍のガス圧力において、噴出ガスの不安定な自励振動により、AE平均振幅の急速な増減が認められた。これらにより、ガス漏洩による特徴的なAE信号が得られたことにより、水素ガスボンベの全数検査AE法の適用の可能性が示唆された。以上より、今後水素ガス利用に適している各種アルミニウム合金の水素による脆化および微視亀裂の発生をその場検出するためには、AE法が非常に有効な技術であるとともに、さらに、ガス漏洩を生じたときには、漏洩箇所から噴出するガスは、ジェット噴流に類似の挙動を示すことが明らかになり、これをAEによって十分に捉えることができることが明らかになり、水素損傷を一環して検出することができる足がかりが得られた。
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