研究課題
基盤研究(C)
本研究では、パイプ用鋼(SGP)およびガスボンベ用アルミニウム合金(5000系および6000系)を用いて、水素脆化の発生と進展、微視き裂の発生と成長およびガス漏洩を伴う巨視き裂の発生と進展と、時系列的に生じる一連の水素による損傷を、AE法によって一環して検出する手法の確立を図る。得られた新しい知見と成果を次に示す。1.水素マイクロプリント法により、水素損傷は、すべり線や粒界に集中するが明らかになった。さらに電子後方散乱パターン解析(EBSP)よって、その損傷の中でも生じやすい箇所の同定ができ、AE発生との関連性が認められた。2.材料内を伝搬する弾性波は、速度分散やモード変換を生じるため、AE波の特徴抽出を行うに当たって、第一到達波のS_0モードに着目する解析法を提案し、形状記憶合金単結晶および金属間化合物単結晶を用いてその有効性を明らかにした。この解析法を用いて、アルミニウム合金の引張試験と疲労試験中に検出されるAE波形により、転位の集団運動に起因する塑性変形と水素損傷による微視き裂の発生と成長の特徴を抽出することが可能になった。3.ピンホールやスリット状人工孔からのガス漏洩中に検出されるAE波により、巨視き裂を検証した結果、臨界圧力を超えると、検出されたAE波形のピーク周波数がガス圧力に伴い減少することから、漏洩箇所近傍においてジェット噴流を生成し、出口側にショックセルを形成し、騒音の一種であるスクリーチトーンの発生が認められた。このようにAE法を用いた漏洩監視の有力なパラメータの抽出に成功するとともに、流体力学分野への応用の可能性が示唆された。以上の結果から、AE法による材料評価技術の発展に寄与できるとともに、上記3の結果から、AE法を用いて省力化を目指した流体騒音分野への新展開を図ることが可能になり、新たな研究テーマの申請を行っている。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (12件)
ULTRASONICS (to be published)
Journal of Acoustic Emission 23
ページ: 189-195
第15回アコースティック・エミッション総合コンファレンス論文集 15
ページ: 55-58
Journal of Acoustic Emission Vol.23
Proceedings of 15^<th> AE General Conference Vol.15
Journal of Acoustic Emission 22
ページ: 159-168
日本金属学会誌 68・12
ページ: 1043-1046
ページ: 223-229
Journal of Acoustic Emission Vol.22
Materials Transaction Vol.45, No.2
ページ: 315-318