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2006 年度 実績報告書

溶射と鋳造・凝固との複合プロセスにおける技術的問題点の把握とその対策

研究課題

研究課題/領域番号 16560652
研究機関関西大学

研究代表者

小林 武  関西大学, 工学部, 教授 (00067638)

研究分担者 丸山 徹  関西大学, 工学部, 専任講師 (80330174)
キーワード環境調和性 / 複合化生産プロセス / 鉛フリー溶射皮膜 / 複合溶射皮膜 / 固体潤滑剤 / CaF / 摩耗量 / 摩擦係数
研究概要

本研究で採り上げたCaF2は鉛の代替物として充分使用できることを昨年度(平成17年度)に確認した。しかし、複合溶射皮膜は溶融微粒子を吹き付けて、皮膜を積層形成させるため、皮膜の表面あるいは積層間に酸化物が形成されている。この酸化物を除去しないで鋳ぐるみを行うと、皮膜中の酸化物は一層成長し、鋳ぐるみ接合が困難になる問題点を抱えている。今年度はフラン鋳型(φ20mm)あるいは銅パイプ(φ20mm)を回転させながら複合溶射を行い、さらにボンドコートとして純銅を重ねて溶射した。この円筒状の皮膜中の酸素量を低減させるために、円筒状皮膜を木炭粉と供に銅製ケース中に入れ、脱酸処理(550℃,120分)を行ってから階段状鋳型の中央に入れ、銅パイプを使用した場合には空冷あるいは水冷しながら鋳ぐるみを行った。
脱酸処理を施さずに鋳ぐるみを行った場合、鋳鉄溶湯中の炭素と酸化物が反応してCOガスを発生し、皮膜と鋳鉄との間にガス欠陥が多発した。しかしボンドコートを行った複合皮膜に脱酸処理を施してから鋳ぐるみを行うと、ほとんどガス欠陥は発生せず、鋳鉄による鋳ぐるみは可能であった。銅パイプ中に冷却用の空気を流しながら複合溶射皮膜を作製すると、酸素量の少ない複合皮膜が形成することを確認した。さらに鋳鉄による鋳ぐるみ時に複合溶射皮膜が溶射してある銅パイプ中に細い(φ6mm)銅パイプを通し、その外側に6号けい砂を詰めて、細い銅パイプ中に水を流して冷却(2.4mm)すると複合溶射皮膜は必要以上に鋳鉄によって溶融せず、鋳鉄と皮膜との界面は良好な接合が行なわれることを確認した。水冷による冷却が過度になると、鋳物間薄部に白銑化が生じることを確認している。このため過度の冷却は禁物である。すなわち細い冷却用銅パイプ(φ6mm)の外側に鋳物砂を入れることが好対策であった。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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