研究課題/領域番号 |
16560660
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩井 芳夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80176528)
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研究分担者 |
米澤 節子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50294898)
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キーワード | 超臨界流体抽出 / エントレーナ効果 / 超臨界二酸化炭素 / カフェイン / 水 / エタノール / 溶解度 |
研究概要 |
生理活性物質のモデル物質としてカフェインを選び、天然物からの生理活性物質の超臨界二酸化炭素抽出におけるエントレーナ効果を測定した。測定は温度40℃、圧力は15.0MPaで行った。まず、高圧セルにカフェインを既知量入れ、系内を測定温度・圧力にして超臨界二酸化炭素に完全に溶解させた。その後、超臨界二酸化炭素中のカフェインの吸光度を測定した。カフェインの仕込み量を変えて同様な操作を数回行い、カフェインの仕込み量と吸光度の関係を求め、検量線を得た。次に、超臨界二酸化炭素には完全には溶解しないように過剰量のカフェインを仕込み、超臨界二酸化炭素に飽和溶解したときのカフェインの吸光度を測定した。検量線を外挿し、超臨界二酸化炭素に飽和溶解したときのカフェインの吸光度よりカフェインの飽和濃度(飽和溶解度)を求めたところ、2.60x10^<-3>mol L^<-1>となり、文献値と良好に一致した。さらに、過剰量のカフェインを高圧セルに仕込み、水を注入してカフェインの溶解度の上昇率(エントレーナ効果)を測定したところ、最大22%上昇することがわかった。超臨界二酸化炭素に対するカフェインの溶解度におよぼす水のエントレーナ効果が数倍あるとする文献と、ほとんど無いとする文献があるが、数倍あるとする文献はあやまりであることが明らかになった。次に、エタノールのエントレーナ効果を測定した。エタノールは測定条件下で超臨界二酸化炭素と完全に混和する。添加したエタノールの量に応じてカフェインの溶解度も上昇し、エタノールの添加量が1mol L^<-1>のときカフェインの溶解度は約5倍になることが示され、エタノールのエントレーナ効果が大きいことがわかった。
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