超臨界二酸化炭素、超臨界二酸化炭素+水、超臨界二酸化炭素+エタノール、超臨界二酸化炭素+水+エタノールに対するカフェインの溶解度をオンラインの赤外分光器により静置法で測定した。測定は温度40℃、圧力は15.0MPaで行った。その結果、超臨界二酸化炭素に水を飽和状態まで添加することにより、カフェインの溶解度は22%上昇することがわかった。また、超臨界二酸化炭素にエタノールを1000molm^<-3>添加することによりカフェインの溶解度は5倍上昇し、エタノールのエントレーナ効果が大きいことがわかった。水とエタノールを同時に用いると、水またはエタノールを単独に用いるよりカフェインの溶解度のおよぼすエントレーナ効果が小さいことがわかった。さらに、超臨界二酸化炭素にカフェインを溶解させ、エタノールを添加すると、カフェイン中の2つのカルボニル基(2と6の位置)の赤外吸収ピークが変形したので、カフェインのカルボニル基とエタノールが相互作用していることが示唆された。そこで、カフェインのカルボニル基のピークを波形分離したところ、エタノールを添加すると低波数側に新たなピークが現れ、これをカフェインとエタノールの相互作用種のピークと同定した。そして、2の位置のカルボニル基は6の位置のカルボニル基よりエタノールと相互作用しやすいことがわかった。さらに、カフェインの溶解度におよぼすエタノールのエントレーナ効果をカフェインのカルボニル基とエタノールの相互作用種の観点から解析したところ、エタノールの添加に伴うカフェインの溶解度の上昇は、主として相互作用種の濃度の増加によるものであることが示された。
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