研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では、原子レベルで構造制御された新規シルセスキオキサンの合成、およびこれらを必要とする機能に応じて組み上げて行くことによる、「場」の自在制御が可能な有機・無機複合触媒材料の構築を検討した。また、金属含有シルセスキオキサン等の酸化分解による、特異的なミクロ細孔構造を有する固体酸触媒の開発を行い、炭化水素の分解反応や部分酸化反応に対する触媒機能を検討した。その結果、アセチレン部位を有する新規シルセスキオキサンを合成するとともに、アセチレン部位の接触的分子内三量化反応の活用によって、新規大籠状シルセスキオキサンの創製に成功した。シロキサン骨格構造やチタン周辺構造の異なる種々のチタン含有シルセスキオキサンを合成し、チタンに隣接したケイ素上にアルケニルシリル基を有する分子のアルケンのエポキシ化反応に対する高い触媒機能を見出し、これらの分子への親水性部位の導入による触媒機能向上効果を示した。また、チタノセン含有シルセスキオキサンの合成に初めて成功するとともに、種々の反応性シリル置換基を有する新規金属含有シルセスキオキサンを合成し、酸化反応に対する触媒活性を見出した。また、メタロセンを保護基として活用する新手法によって、従来合成困難であった反応性置換基を有するシルセスキオキサンジシラノールの合成に成功した。さらに、コアに加えて周辺部位もシルセスキオキサンから構成されたデンドリマーをはじめて合成した。一方、アルミニウム架橋型シルセスキオキサンを前駆体として、特異的なミクロ細孔構造を有し、高い炭化水素分解活性を有する固体酸触媒を開発した。また、シルセスキオキサンアミン配位子を新たに合成し、これらを活用してインクボトル型メソ細孔とミクロ細孔を併せ持ち、パラジウム酸化物ナノ粒子を内包する多孔質酸化物触媒を調製、これらが水中でのアルコール類の空気酸化反応に高い活性を有することを示した。
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Catalysis Today (in press)
有機合成化学協会誌 (印刷中)
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