研究課題
基盤研究(C)
我国の伝統文化の一つである折紙手法を幾何学的観点から数理化して、これまでにない新しい形の軽量で高剛性のコア構造およびコアパネルを開発した。最初に、これらのモデルを空間充填に関する幾何学的観点から体系的に整理し、これを基に、平面板に周期的なスリットや切り込みいれこれらを折が曲げて作る立方体形状コア、切頂8面体形状コア、切頂8面体形状コアなどをモデル化した。加工が簡単な立方体形状コアについては、工業的な利用を考え、その加工法も開発し、プレス加工メーカーで量産化を考え更なる加工法の改良がなされアルミ合金板製の試作品が作られた。これらのモデルを基に円筒状コアも開発し、更に任意の断面形状の設計が可能な3次元ハニカムコアモデルを開発した。次に折紙でモデル化したコア構造をプレス加工で製作可能な多目的コアパネルを幾何学の平面充填と空間充填の考えを組み合わせて、体系化し、数多くのパネルモデルを開発した。このコアパネルはピラミッド状ディンプルを周期的に塑性加工で平板に導入し、これを2枚対称に貼りあわせて作る上述の空間充填に基づく新しい概念に基づくものである。体系化された数多くのパネルモデルの剛性を数値シミュレーションによって評価し、加工が簡単であるにもかかわらず高剛性なモデルを選択した。選択されたモデルについて、製造法の開発およびコアパネルの試作を平行して行い、強度や剛性の評価も実験的に行った。この一連の研究の具体的な研究項目と成果を以下に記す。(1)平板に塑性加工で周期的なピラミッド状ディンプルを導入し、これらを2枚貼りあわせて作る軽量高剛性コアパネルの開発を行った。(2)代表的なモデルの試作、および強度や剛性などの機械的性質の数値シミュレーションによる評価のみならず実験的評価を行い、新規に開発したパネルの機会工学的観点からの優越性を確認した。(3)上記パネルと同様にしてモデル化された別のタイプのコアパネルを開発した。これは嵌めあわせ型のもので、再利用可能なため環境対応型コアパネルと名づけた。他に(4)プレス加工メーカーと連携し、上記(1)のコアパネルの実用化に向けたプレス加工法の開発を行い、実用化のめどをつけた。(5)炭素繊維性のハニカム型コアのデルル化およびそれらの試作を行った。
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JSME International Journal Series, The Japan Society of Mechanical Engineers 49
ページ: 38-42
JSME International Journal Series A, The Japan Society of Mechanical Engineers 2006.1,vol.49
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