研究概要 |
新規にPIV対応型衝撃風洞の設計を行った.衝撃風洞の達成すべき性能は、超音速旅客機の飛行経路に依存する。研究代表者が数値計算によって試算した結果、高圧管1.2m,二重隔膜管0.1m,低圧管6mでアルミ製(内径80mm),駆動気体をヘリウムとすれば,衝撃波速度1769m/s,管端での反射速度634m/s,試験時間0.88ms,よどみ点温度3600K,よどみ圧力0.28MPaを達成できることとなる.さらに,製作した高圧管・二重隔膜管・低圧管にあわせて,直径70cm・長さ1mで,試験気体をダンプする真空ダンプタンクを設計製作した.これにより,実験装置の主要構成要素である,高圧管・二重隔膜管・低圧管・ダンプタンクの設計製作を完了した.来年度は,これに,超音速ノズルおよびテストセクションを加えPIV計測を実施する予定である. 一方,PIV計測に関しては,低速流での実験を行い衝撃風洞に適用できるよう調整中である.特に,今回は,風車に関して,入口直径D=20cm,ディフューザ開き角12゜,ディフューザ長さL=1.25D,つば高さh=0.5D,ボス比0.2,翼端隙間h_t=3mm(ht/D=1.5%),周速比5.4(回転数3620rpm,翼車半径10cm),レイノルズ数0.9×10^5において実験を行った.PIVの画像は,光源(ダブルパルスNd-YAGレーザ)に同期して,10Hz,30枚連続で撮影される.この画像を基にして,PIV解析ソフトウエア(PIIVTEC社,PIVview-2c)を用いて,相互相関で速度ベクトルを求めた.この際,静止画像だけでなく,解析データを動画にすることで流れ場の時間的変化を可視化した.動画は0.1秒刻み,15枚の連続画で構成することが出来るよう改造した. 以上のように,実験装置製作途中であるが,衝撃風洞およびPIV計測に関して多くの有用な知見を得つつある.来年度は,さらにこれらを統合して計測を行う予定である.
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