研究課題
電気推進から噴射されるプラズマビームと地球高層大気の相互作用の研究を進める過程で、この現象を能動的に利用して中性大気観測に応用展開できる可能性を見いだした。励起源より放射されたイオンは地磁場に拘束され運動した後、高層中性大気と電荷交換衝突の結果電荷を失った高速中性粒子となって地球近傍から脱出する。これを観測機で捕らえ、発生場所・時刻・エネルギー損失を特定すれば磁力線に沿った広範囲の高層中性大気情報を瞬時に得ることができる。励起源の軌道周回に伴い短い時間で地球規模的データ収集も可能である。本研究提案は人工プラズマビームの地球低高度軌道における減衰緩和機構の解明と、中性大気観測へのフィジビリティを検証するため、以下を実行する。1、排出プラズマビームの減衰機構をサーベイし、モデル化を試みる。2、実験室実験として人工イオンビーム(Xeなど)と大気組成粒子(H、He、O、Arなど)との電荷交換衝突による高速中性粒子の発生および検出を行う。3、予測される減衰率と実験室デモンストレーションの結果を相似則に照らし合わせ評価する。4、中性大気観測の形態、システム構成、各構成要素の性能決定のため数値シュミレーションを行う。初年度には、電荷交換生成装置を組み立て、実験室実験を行った。地球高層大気に見立てた窒素と酸素の混合気体にキセノンイオンビームを打ち込み、キセノンにだけ感度のある酸素の粒子密度を窒素分圧に依存せずに特定することに成功した。
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