| 研究概要 |
惑星探査での利用を想定した小型飛翔体に特徴的な伝レイノルズ数、高マッハ数流れの流体現象の解明を数値解析手法を用いて行った。低レイノルズ数流れにおける計算手法め確認と代表的な二次元翼型(NACA4402)を対象とした低レイノルズ数流れでの翼型特性の解析を行った。特にレイノルズ数効果、マッハ数効果や非定常性に関しての解析を行った。また同環境下で高効率な推進手法と考えられている羽ばだき運動に関する解析を行うための準備として、移動する物体まわりの流れ場の非定常解析手法の開発を行った。
1.二次元翼型の低レイノルズ数流れにおける空力特性の解析
(1)代表的な二次元翼型であるNACA4402を対象として、低レイノルズ数(Re=1000)流れでの空力特性の把握を行った。通常の高レイノルズ数(例えばRe=10^6)に比べて抵抗が大きくなり揚抗比(L/D)が悪化すること、失速角が滅少し流れが剥がれ易くなることが判明した。またマッハ数よりもレイノルズ数への依存性が大きく、あるレイノルズ数を境に,空力特性の大幅な悪化や剥離特性が大きく変化することが判明した。
(2)低レイノルズ数流れでは流れが剥離し易く非定常状態が本質的であることがわかった。しかしながら空力性能、特にL/Dの観点からは定常状態を保つことが性能的には良いことが判明した。
2.羽ばたき運動の数値解析手法の開発
(1)現在用いている流体解析プログラムを、羽ばたき運動の解析に必要となる、移動する物体まわりの流れ場の非定常解析が可能となるように改修を行った。物体の移動に合わせて計算格子の移動を考え、その効果を取り込む形の修正を行った。試計算を行い移動する物体まわりの流れ場が正しく解析できることを確認した。また強制的に振動する二次元翼周りの流れに適用し、開発したコードの検証を行なった。
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