研究概要 |
本年度は,まず堤案した制御手法を検証するための実験用動揺ベース・マニピュレータシステムの開発を行った.以下にその概要を述べる.機械部分として1自由度動揺ベース上に2自由度マニピュレータを設置したものを設計・製作した.マニピュレータの手先リンク長さ86mm,根元リンク長さ110mmという。小型のマニピユレータである.これらの駆動用モータとして,ベース用に定格出力250W,マニピユレータ用に90W,4.5WのDCサーボモータを用いた.各モータを計測制御するための、ドライバおよび電源部,計測制御用PCIインターフェースを準備し,マニピュレータ運動実験を行うための基本的な計測制御プログラムの開発を行った. つぎに,開発した実験システムのダイナミカルシステムにおけるパラメータを同定するための実験を行った。今回は,まず2自由度マニピュレータについてパラメータ同定実験を行った.同定手法として逐次同定法を用い,慣性項,粘性摩擦項,重力項に関する各パラメータを求めた.得られたパラメータの標準誤差は許容できるものであった.さらに,得られたパラメータをもとにシミュレーションを行い,同定実験の運動データを比較した.その結果,多くの実験条件に対する実験結果とシミュレーションについては良い一致が見られたが,一部の実験条件では一致していないものがあった. 今後は,まずシミュレーションとの一致が見られなかった実験条件についての解析を行い,今回得られたパラメータをチューニングするだめめ実験を行う予定である.
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