研究課題
本研究の目的は、沿岸海域を航行する内航貨物船を主要なユニットに分割し、必要に応じてそれらを結合分離することによりその輸送効率の向上を図るための新型式の内航貨物船の開発にある。そのために、波浪中において連結部に働く剪断力及び曲げモーメントを理論的、実験的に考察しながら,最適な連結方法の設計を行うことである。本研究において開発を目指す内航貨物船は、「推進操船ユニット」、「貨物倉ユニット」、「船首部ユニット」からなる構造を持ち、これらが適宜連結・分離できるという新形式の貨物船である。また、連結部を柔構造にすることで、波浪に基づく外力をできるだけ小さくし、最適な連結方式を提案することに特色がある。本年度の研究から得られた主な結果は以下の通りである。1)ユニット連結部に作用する波浪剪断力および曲げモーメントを数値計算によって求めるための計算プログラムを作成した。計算は簡単のため、梁理論によって求めた。2)簡単な例として、2連結浮体模型を用いて波浪中連結部に働く荷重を計測し、数値計算結果と比較しながら計算プログラムの有用性を確認した。その成果は論文として公表した。3)次に、4連結浮体模型を用いて波浪中連結部における浮体の変位を斜め規則波中において計測し、数値計算結果と比較しながら計算プログラムの有用性を確認した。その成果は論文として公表した。4)連結式ユニットから成る内航貨物船の主要目を決定し、その試設計を行った。5)連結式ユニットから成る内航貨物船模型と運動計測用治具を製作し、正面向波中、前進速度を持つ場合の模型実験を行った。実験結果の考察並びに数値計算については次年度実施する。
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Proc.of 18th Ocean Engineering Symposium, The Soc.of Naval Architects, Japan (CD-R)
Trans.of the West Japan Society of Naval Architects 106
ページ: 191-201
Trans.of the West Japan Society of Naval Architects 107(印刷中)